Ascending Inferno

【BitSummit the 13th】 「ムズい! もう1回!」が止まらない、"タイパ最重視"の2Dアクション『十秒奪取!』

BitSummit the13th出展作品のプレイレポート

ライター /

重要なポイント

2025年7月18日(金)~20日(日)にかけて、京都・みやこめっせ(京都市勧業館)で開催されたインディーゲームイベント、"BitSummit the 13th"(以下、ビットサミット13)。そのイベントに出展された『十秒奪取!』のプレイレポート。1ステージで使える時間は、たったの10秒! 脳をフル回転させ、最速の攻略法を見い出せ!

なにかと"やること"が多い現代では、かけた時間に対してどれだけの効果や満足度を得られるかの指標、"タイパ(タイムパフォーマンス)"が重視されがちだ。確かに大好きなゲームでも、できれば効率よく楽しみたいもんなァ……。

そんなプレイヤーの儚い願いに応えるべく(!?)、メシードソフトウェアが開発したゲームが『十秒奪取!』 である!

『十秒奪取!』

©PINION/©メシードソフトウェア

本作は、2Dの世界に配置されたオブジェクトや敵キャラクターをかわしつつ、ジャンプや空中ダッシュなどを駆使してゴールを目指すアクションゲーム。ここまではなんら問題ないのだが……なんと、あらゆるステージで制限時間がたったの"10秒"しかないのである! いくらなんでもタイパ重視しすぎィ!!

絶対に難しそうとは思いつつも、「アクションゲーム好きな俺(筆者)としては、こんな面白そうなゲーム見逃せないぜ!」ということで、『十秒奪取!』のブースにお邪魔してきた。

"1ステージ10秒"の真相とは!?

プレイが楽しみすぎてもはや10秒すら惜しかったので、早速タイトル画面の"PLAY"からゲームを起動。すると、導入のストーリーパートが始まった。

舞台となるのは、現代のどこか遠いところにある"ヴィクティマ王国"。そこに暮らす、とても頭の良くて美しい王女"テレナ"と、その護衛を務める勇敢で賢明な女騎士"エリシル"は、互いを尊敬・信頼しあっていた。

エリシルに怒られるテレナ

©PINION/©メシードソフトウェア

しかし、"テレナ"にはサボりぐせとなまけぐせがあり、勉強や政務そっちのけで動画を観たりオンラインゲームをしたりと、やがて1日を遊んで暮らすように……。しまいには、部屋から出てこなくなってしまった。

からくり城に籠城したテレナ

©PINION/©メシードソフトウェア

これに見かねた"エリシル"は何度か"テレナ"にお説教をするも効果がなく、ついにはパソコンやゲームを没収。結果、反発した"テレナ"は城を飛び出し、王国のはずれにある"からくり城"に立てこもってしまった。そこには多くの魔物が潜んでおり、数多くの"仕掛け"が施されているという。

エリシルとテレナの会話

©PINION/©メシードソフトウェア

"テレナ"救出のため、"からくり城"へ向かう"エリシル"。どうやらこの城には小部屋が無数にあり、それぞれの突破に時間制限があるらしい。さらに厄介なことに、"テレナ"はその制限時間を10秒に細工してしまった! この逆境のなか、"エリシル"は無事に"テレナ"を連れ戻すことができるのか!?

……な~るほど、制限時間10秒のワケは王女様のイタズラ(?)だったのか。理解はできたけれど、なにしてくれとんじゃアアアァァァァァーッッッ!!!!!! まあ、済んだことは仕方ない。こうなったら、いっちょやったろうじゃん!?

「チッキショー! もう1回!」の沼へようこそ

操作説明画面

©PINION/©メシードソフトウェア

『十秒奪取!』では主人公(操作キャラクター)の"エリシル"を(コントローラー操作の場合は)方向キーで動かしつつ、"A"でジャンプ、"B"で空中ダッシュするのが基本の操作となる。空中ダッシュは、方向キーを押しながら繰り出せば角度を変えられる点も重要だ。

また、"LB"+"RB"を押せばステージの最初から即座にやり直すことも可能。今回のデモ版では使用しなかったが、"X"を押せば便利なスキルの発動もできるようだ。

各ステージにはさまざまな敵や障害物が待ち受けており、それらをうまくかわしながら"ゴールゲート"にたどり着けばクリアーとなる。……10秒以内に!!

ステージ開始時の画面
©PINION/©メシードソフトウェア

この状態でボタンを押すと、タイマーが始動する。

説明を読み終え、ついにお待ちかねのステージ1へ。画面には"PRESS A BUTTON TO START"と表示されており、"A"を押すとステージが始まる。ステージの構造をじっくり観察してから、自分のタイミングでスタートができるのは、とても親切な作りだと感じた。

ステージ開始後
©PINION/©メシードソフトウェア

左下のストップウォッチがカウントダウンしているところ。

ステージを開始すると3カウント後に"エリシル"を動かせるようになり、画面左下のタイマー(手に握られたストップウォッチ)で10秒のカウントダウンが始まる。もしタイムリミットを迎えると……当然ながら、そのステージは問答無用でやり直しだ。

宝箱
©PINION/©メシードソフトウェア

宝箱は基本的に、取りにくい場所に置いてある。ときには、アタマをひねらないと到達できないことも。

各ステージには宝箱が置かれており、これに触れると"TREASURE"(お宝)をゲットできる。「くっ、こっちは急いでるのに……!」と言いたいところだが、「どう進めば宝箱を取って10秒でゴールできるか」を考えるパズル的要素も、『十秒奪取!』の面白さである。


メモ
デモ版クリア時の会話イベントによると、"TREASURE"は集めても特別な効果はなく、あくまで"名誉の印"らしい。そんな~(´・ω・`)

デモ版では、全10ステージをプレイできた。どのステージも形状やギミックがおもしろ難しく、まだ序盤も序盤のステージにもかかわらず、何度もゲームオーバーになった。とくに穴を飛び越えたり、高いところに登れるアクション"空中ダッシュ"の存在が、「あとちょっとで届きそうなのに……!」といった、絶妙な難易度を演出しているのだ。

とはいえ、"LB"+"RB"を押せば即座にリトライできるし、ゲームオーバー後もリトライまでのスピード(ロード)がかなり早いので、ストレスはまったく感じなかった。それどころか「早く、もう1回!」と、無限に挑戦したいとさえ思った。『十秒奪取!』は、とてもいい意味で"中毒性の高いゲーム"なのである。

追い求めたのは"明快な2Dアクション"

試遊後、『十秒奪取!』のディレクターにインタビューの時間をいただいた。

ステージ8

©PINION/©メシードソフトウェア

――本作はなぜ、"10秒"をテーマにしたのですか?

ディレクター:私はこれまでデザインやシナリオなど、ゲームに近いところでお仕事をしてきたのですが、「自分もゲームを作ってみたい」と思うようになりまして。初めて作るゲームは、明快で分かりやすい2Dアクションゲームにしたかったんです。また、そこに何かの要素をプラスしたいと考えたときに、制限時間ならきっと国を越えて伝わるだろうと。

最初は30秒のつもりだったのですが、それだと制限がやや緩く、似たゲームが他にもあります。それに途中で画面がスクロールすると、観ている側も状況を把握しづらくなります。そこで思い切って制限時間を10秒にして、1画面で完結するようにしました。

――グローバル展開も視野に入れているのですね。

ディレクター:はい。リリース時には日本語、英語、中国語(簡体字、繁体字)を予定していますが、最終的には10ヵ国語くらいまで広げたいと考えています。

――ステージ数は全部でどのくらいになりますか?

ディレクター:100くらいまでは増やしたいですね。販売価格はできるだけ抑えつつ、少なくとも1ヵ月くらいはしっかり遊べるボリュームにして、みなさんが「買ってよかったな」と思えるゲームになれば嬉しいです。

――アップデートでステージを追加する予定などはありますか?

エディットモード

©メシードソフトウェア

ディレクター:すごく人気が出れば、ですね。ただ、本作の製品版には最大の見どころとして、ステージを自在に作れる"エディットモード"を搭載します。加えて、作ったステージをSNSでシェアできるシステムを用意する予定もあります。ですから、それを活用して人気の高いステージを集め、DLC(ダウンロードコンテンツ)として提供するといったことはできるかもしれません。

――初めて制作するゲームで"エディットモード"を搭載するって、本当にすごいですね! かなり大変だったのでは?(笑)

ディレクター:本当に大変で、いっしょにゲームを作っている仲間にも「なんでコレ入れたの!?」ってめちゃくちゃ言われました(笑)。

私はファミリーコンピュータをリアルタイムで遊んでいた世代なんですが、当時のゲーム、たとえば『レッキングクルー』や『ロードランナー』など、"エディットモード"が搭載されているゲームが多かったんです。ある意味、それがひとつのステータスだったというか。

そういったノスタルジーも含めて、自分が作る1作目のゲームには"エディットモード"を搭載したいという思いがあります。『十秒奪取!』は配信映えするゲームなので、たとえば『マリオメーカー』みたいに、ユーザーが作ったステージをライバーさんがプレイするような仕組みを作れたら面白そうだなと。

――すごく楽しそうです。ステージを作るときには、どんなことを考えていますか?

ディレクター:いろいろありますが、たとえば難易度のバランスでしょうか。『十秒奪取!』の制作に携わるスタッフにはアクションがすごく得意な人もいれば、苦手な人もいます。当然ながら得意な人はステージを作るのも上手いのですが、私も含む苦手な人がそれをプレイすると、クリアーできないこともあるわけです。

そんなときは「ここが難しすぎるから調整してほしい!」と伝え、ステージの内容を変えます。とはいえ、簡単にしすぎると今度は歯ごたえがなくなるので、得意な人の意見を尊重し、そのままにすることもあります。

――イラストやストーリーにも、かなりチカラが入っているなと感じました。

エリシルとテレナの会話

©PINION/©メシードソフトウェア

ディレクター:すぐにゲームがスタートするのもよいのですが、やはりゲームを進める目的はあったほうがいいなと。10ステージをクリアーするごとに会話が挟まるのですが、ステージのギミックに関わるお話もあるので、そのあたりにも要注目です。

グラフィックに関しては、私が携わってきたマンガ雑誌のデザイン経験が活きています。これまでたくさんの可愛いものに触れてきましたが、やはりそこは万国共通でウケるというのが実体験としてあるので、ゲームを作るうえでも"可愛い"の要素は欠かせないと思っています。

"RTAモード"も搭載予定!

ジャンプ1回ですらムダにできず、つねにギリギリの判断を求められる『十秒奪取!』。一見難しそうな本作だが、その実態は「確かにラクにクリアーはさせてくれないが、なんかいけそうだから、ついがんばっちゃう」という、実に絶妙な塩梅だったと筆者は感じた。

また、10秒という制限時間は厳しい制約ではあるものの、裏を返せば「必ず10秒以内(という短い時間)でクリアーできる」とも言える。こうした"やれそう感"に、スムーズなリトライ要素が合わさることで、「次こそ! もう1回!」の化学反応が無限に起きるのだろう。

RTAモード

©メシードソフトウェア

ちなみに製品版には、より速く、正確なプレイでエンディングを目指すタイムアタック要素の"RTAモード"(リアルタイムアタックモード)が搭載される。1ステージ10秒と言わず、自分の限界に挑むのだ!

そんな『十秒奪取!』は、2025年10月のリリースを予定しているとのこと。また、ディレクターによれば、最初はSteam(WindowsPC)のみの対応だが、ゆくゆくはNintendo Switch(Switch2)向けにも展開したいと考えているようだ。

遊びやすくも骨太な2Dアクションゲーム、『十秒奪取!』の今後の活躍を、座して待つべし!

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