長所
- 自分だけのガンプラを作れる
- 爽快感抜群のバトルが楽しめる
- シリアスとコミカルが交じったテンポの良いストーリー
- 原作をリスペクトした武装の数々
短所
- 骨太なアクション性は薄め
- 好きなパーツを集めるのに時間がかかることも
『ガンダムブレイカー4』は、2024年8月29日にリリースされた『ガンダムブレイカー』シリーズの最新作。前作にあたる『Newガンダムブレイカー』から約6年ぶりの発売となる。
『ガンダムブレイカー』シリーズは、自分だけのガンプラ(通称"俺ガンプラ")をゲーム内で自由に製作・カスタマイズすることができ、その作ったガンプラを操作して戦うアクションRPGだ。さまざまなガンダム作品に登場する機体を自由にカスタマイズできるのが特徴的な作品である。
自分だけのガンプラを作れる楽しさ
本作のいちばんの面白さは、何と言っても自由にガンプラを作れることだ。カスタマイズできる部位は、頭、胴体、右腕、左腕、足、バックパック、右腕の射撃武器、左腕の射撃武器、右腕の近接武器、左腕の近接武器、盾に分かれており、カラーリングや大きさなども変更可能で、非常に自由度の高いガンプラ作りが楽しめる。
たとえば、ガンダムの体にザクの頭を付けたり(下の写真)、ズゴックの背中にジャスティスのバックパックを付けたりと、誰もが一度は考えたことのある自己流のガンプラを作ることができる。
また、パーツの組み合わせを考えるだけでなく、ガンプラのカラーを変える楽しみも味わえる。リアルなプラモデル製作では面倒な塗装も、本作ならばボタンひとつで色を変更することが可能。光沢や迷彩柄などさまざまな塗装パターンが用意されているので、自分の思いのままにカラーリングが楽しめる。
さらに、パーツのひとつひとつにはスキルやアビリティがセットされていて、ガンプラの見た目だけでなく、バトル(モード)で活躍するためにはどのパーツでガンプラを作ればいいか、という要素も重要になってくる。「見た目はかっこいいが、武器の性能がイマイチだな」、「この武器もあの武器使いたい」など、いろいろ考えているうちに気づけば数時間経っていたということも多々あった。作ったガンプラでバトルをするという『ガンダムブレイカー』ならではの醍醐味だ。
本作はパーツによってセットされているアビリティやステータスが違うものの、とびぬけてこのパーツが強いというものがなく、どのパーツを使ってガンプラを作ってもバトルが楽しめるというのは嬉しいポイントだった。
シンプルな操作で爽快アクション
本作はガンプラを作るだけでは終わらない。さきほど少し説明したとおり、作ったガンプラでバトルできるのが醍醐味だ。射撃、格闘、ジャンプといった基本的なアクションでバトルが味わえるのはもちろん、敵の攻撃をシビアなタイミングで避けたり、敵の攻撃を見極めたりといった難しいアクションがないので、アクションゲームが苦手な人でも楽しめる作りになっている。
また、原作を再現した武装アクションも魅力のひとつ。『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』の全武器を展開するフルバースト、『機動戦士ガンダムUC』のNT-Dシステム、『新機動戦記ガンダムW』のローリングバスターライフルなど、アニメやゲームで見ていたかっこいいアクションを自分の作ったガンプラが再現してくれるのは非常に嬉しいポイントだ。
とくにファンネルやスーパードラグーンなどの敵を自動で攻撃するスキル(攻撃)が気持ちよく、ファンネルを展開しているあいだでも、自分は格闘したリ、射撃したりと攻撃に専念できるので、まるで自分がニュータイプになったかのように戦える。
さらに、格闘コンボを繫げて小技を出すこともでき、槍で無数の突きを繰り出したり、ビームサーベルをブンブン振り回して敵をなぎ倒したりと爽快感抜群のアクションが気持ちいい。
仲間とともに成長する胸アツなストーリー
本作は、前作『ガンダムブレイカー3』から数年後の世界が舞台となっている。『ガンダムブレイカー3』では(ゲーム内の)模型店などに立ち寄ることでガンプラバトルを楽しめたのに対し、本作ではネットゲーム"GBBBB(ジービーフォー)"の正式サービスに向けたβテストでの出来事を描いており、(プレイヤーの)自宅からネットを介してガンプラバトルに参加する、という設定になっている。
プレイヤーはそこで、腕は未熟だがSDガンダム使いの男の子・タオと、ガンプラ初心者だが勝気な女の子・リンと出会い、クラン(グループ)を結成することに。数々のバトルを経験していくなかでいろいろな人と出会い、ゲーム内の一大イベント"バトルトーナメント"へと挑むことになる。
ガンプラを作って遊ぶのがメインかと思いきや、ストーリーも充分に面白かった。あくまでも舞台はネットゲームの世界がメインだが、物語が進んでいくと、仲間たちの"現実で抱えている問題や悩み"が見えてくるようになる。
そんなときに仲間どうしの言葉が励ましになり、立ち上がって成長していく姿がとても感動的だった。とくに出会った当初は未熟だったタオやリンがさまざまなバトルを経験して、戦闘の腕まえだけでなく、人としても成長していく姿は非常に印象的だ。
また、ストーリーは感動的なだけでなく、ガンダム語録のようなものも散りばめられていて、話のテンポが損なわれずシリアスとコミカルが良いバランスになっていた。
『ガンダムブレイカー』シリーズとしては5作目にあたる本作(なお、前作『Newガンダムブレイカー』はスピンオフ的な内容だった)。世界観も『ガンダムブレイカー3』と地続きになりつつ、そしてナンバリングタイトルとして正統進化を遂げた。
普段、ガンプラを作らないという人でもガンプラ作りが楽しめるようになっており、塗装やパーツ替えなどリアルでは面倒な作業も本作ならボタンひとつでできてしまう。ガンダム好きの人にはぜひとも遊んでほしい作品だ。