重要なポイント
ファミコン版の『スーパーマリオブラザーズ』では、クッパの魔法で"キノコ王国"の住民が岩やレンガに変えられたとされています。しかし、マリオが冒険中に壊すレンガブロックがじつは住民だった可能性があるのです。
ゲームにあまり詳しくない人でさえ、おそらく名前を知っているであろう世界的超有名キャラクター、"マリオ"。アクションはもちろん、レースにRPGなどさまざまなジャンル(世界観)で引っぱりだこの彼ですが、とくに宿敵"クッパ"に毎度のようにさらわれる"ピーチ姫"を救い出すヒーロー的な姿は、非常によく知られていることでしょう。
その伝統的な流れは1985年9月13日、ファミコン(ファミリーコンピュータ)向けに発売された『スーパーマリオブラザーズ』に端を発しているのですが……。じつは同作において、"マリオ"が冒険の舞台となる"キノコ王国"に災いをもたらしていた可能性があることを、みなさんはご存知ですか?
今回はそんな"マリオ"のむかしむかしの設定を、ほんの少しだけのぞいてみます。
レンガ(ブロック)の破壊が意味するものとは?
自らの命(残機)をかえりみず、幾多のワナや敵が待ち受ける難解なアクションコースに挑み、最終的に"ピーチ姫"を無事救出! これだけ見れば、『スーパーマリオブラザーズ』における"マリオ"は"キノコ王国"にとってのヒーローであることは、なんの疑いようもありません。
ところが、『スーパーマリオブラザーズ』の説明書に書かれたある文章は、"マリオ"が"キノコ王国"にある"災い"をもたらしたことを示唆しているのです。その説明書の"ものがたり"には、このように書かれています(原文ママ)。
キノコ達の住む平和な王国に、ある日、強力な魔法を操る大ガメクッパの一族が侵略して来ました。おとなしいキノコ一族は、皆その魔力によって岩やレンガ、つくし等に姿を変えられてしまい、キノコ王国は滅びてしまったのです。
このキノコ達の魔法を解き、よみがえらす事ができるのはキノコ王国のお姫様ピーチ姫だけ。彼女は今、大魔王クッパの手中にあります。
マリオは、カメ一族を倒してピーチ姫を救出し、「再び平和なキノコ王国を築くために立ち上がりました。テレビの中のマリオはあなたです。このアドベンチャークエスト(遠征)を完結できるのは、あなただけなのです。
重要なのは、「キノコ一族は、皆その魔力によって岩やレンガ、つくし等に姿を変えられてしまい」の部分です。岩やつくしはさておき、みなさんは"レンガ"と聞いて思い当たることはありませんか? ……そう。"マリオ"が冒険の途中でアイテム探しのために一生懸命に壊しまくっているあのブロックは、どう見てもレンガ製と言わざるを得ません。
つまり、"マリオ(あなた)"は知ってか知らずか、レンガに変えられた"キノコ王国"の一族をその手で……!! という可能性があるのです。あな口惜しや。
また、海外では「ブロックに入っているコインは"キノコ一族の魂"で、マリオは彼らの魂を集めて自らの命(残機)を増やしているのでは?」、「マリオは"アンチーヒーロー"になる予定もあった?」などという"ウワサ"もあるのだとか……。
ただ、説明書の別のページにはこんな記述もあります。
レンガに変えられたり、消されたりしたキノコを見つけて助けると、彼等からパワーをもらって、次々と変身します。
この文章からは、少なくとも"助けたキノコはマリオに(変身によるパワーアップで)協力してくれる"ことが読み取れます。アイテムが入っていないレンガブロックは跡形もなく飛び散り、たった50というスコアに変換されてしまいますが、もし"キノコ一族"がそんなリスクを負ってでも"マリオ"の助けになろうとしたのだとしたら、彼らの勇気と覚悟は本当に尊いものです。
"キノコたちの魔法を解き、よみがえらすことのできるピーチ姫"のチカラが及ぶ範囲は名言されていません。しかし、こうした設定を知ったあとでは、マリオが破壊したレンガブロックも含めて救われることを祈るばかりです。あるいは、マリオがレンガブロックを破壊できないよう、"チビマリオ"で1-1から8-4までをすべてクリアすれば誰も悲しまずにすむ!?
余談ですが、かつて『スーパーマリオブラザーズ』35周年を記念し、『Nintendo Switch』向けのソフトとして2020年10月1日から2021年3月31日までの期間限定で『スーパーマリオブラザーズ35』が配信されていました。このソフトでは、世界中で35人の"マリオ(プレイヤー)"がいっせいに繰り返し走っていたわけですから……ものすごい数の"キノコ王国"の住民が爆散していたのかもしれませんね(涙)。