『ドラクエ3リメイク』をプレイするまえに初代『ドラクエ』と『ドラクエII』を遊んだほうがいい?

まずは"ロト三部作"の関係性を知ろう!

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重要なポイント

1980年代に発売された『ドラゴンクエスト』、『ドラゴンクエストII 悪霊の神々』、『ドラゴンクエストIII そして伝説へ ...』は、"ロト三部作"と呼ばれています。HD-2D(リメイク)版『ドラゴンクエストIII そして伝説へ ...』をプレイするまえに、初代『ドラゴンクエスト』と『ドラゴンクエストII 悪霊の神々』をプレイする必要があるのかどうかについて解説します。なお本記事には各作品のネタバレが含まれています。

HD-2D版『ドラゴンクエストIII そして伝説へ ...』(以下、『ドラクエ3リメイク』)は、1988年2月10日にエニックス(当時)からリリースされた、ファミリーコンピュータ(以下、ファミコン)用RPGのリメイク作品です。

『III』と割り振られたナンバリングの通り、同じくファミコンで発売された『ドラゴンクエスト』(1986年)と『ドラゴンクエストII 悪霊の神々』(1987年)の続編となる作品で『ドラゴンクエスト』(以下、『ドラクエ』)シリーズの3作目となります。

これら3作品は"ロト三部作"と呼ばれ、『ドラクエ』ファンのあいだでは、セットで語られる場面が多く散見されます。本記事では"ロト三部作"が並べて語られる理由と『ドラクエ3リメイク』をプレイするまえに、初代『ドラクエ』と『ドラクエ2』をプレイする必要があるのかどうかについて解説します。


メモ
HD-2Dとは、スクウェア・エニックスが開発した"ドット絵と3DCGが融合したグラフィック表現"のこと。ドット絵のキャラクターと立体的な背景を組み合わせつつ、視覚効果や高精細なエフェクトを加えることで、懐かしくも新しい映像表現を実現している。

"ロト三部作"の関係性と物語の時系列

"ロト"とは、『ドラクエ』シリーズ(『I』~『III』までの3作品)において、勇者に与えられる称号のこと。まず、なぜ"ロト三部作"がセットで語られるのかといえば、公式でそのように扱われていることが、もっとも大きな理由として挙げられます。

『ドラクエ3リメイク』の公式サイトでは"『ドラゴンクエスト』、『ドラゴンクエストII 悪霊の神々』、『ドラゴンクエストIII そして伝説へ ...』の3作品は、物語や冒険の舞台につながりがあることから、作中で語り継がれる伝説の勇者ロトの名を取ってロト三部作と呼ばれる"と明確に表記されています。

とはいえ、物語の時系列が【初代『ドラクエ』⇒『ドラクエ2』⇒『ドラクエ3』】と、発売順に続いているわけではありません。

実際には、作中の物語は【『ドラクエ3』⇒初代『ドラクエ』⇒『ドラクエ2』】の順番で繋がっており、『ドラクエ3』の"とあるエンディング演出"によってプレイヤーは、『ドラクエ3』の物語は初代『ドラクエ』の前日譚であることに気付きます。


メモ
『ドラクエ3』の戦闘システムに関しては、初代『ドラクエ』と『ドラクエ2』からターン制のバトルシステムが受け継がれているものの、仲間を入れ換えられるパーティの自由度やキャラクターの転職システムなど、大幅にアップグレードされました。
『ドラクエ3リメイク』魔王バラモス
© ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/SPIKE CHUNSOFT/SQUARE ENIX © SUGIYAMA KOBO ℗ SUGIYAMA KOBO

『ドラクエ3リメイク』。ゲーム序盤から倒すべき敵として明確に語られる"魔王バラモス"。

『ドラクエ3』では、魔王バラモスの討伐という使命を帯びた主人公が、初代『ドラクエ』と『ドラクエ2』で登場しなかった広大な世界を舞台に冒険を繰り広げます。

ところが『ドラクエ3』のストーリー序盤から提示されていたボス敵のバラモスを討伐してもエンディングにはなりません。

『ドラクエ3リメイク』大魔王ゾーマ
© ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/SPIKE CHUNSOFT/SQUARE ENIX © SUGIYAMA KOBO ℗ SUGIYAMA KOBO

『ドラクエ3リメイク』。黒幕である"大魔王ゾーマ"。

バラモスの討伐後、黒幕としてバラモスを操っていた強大な敵"大魔王ゾーマ"が出現します。そこで主人公は作中で"やみのせかい"と呼ばれる暗闇に包まれた世界に乗り込み、ゾーマとの決戦に臨むことになります。

『ドラクエ3リメイク』見渡す限りの暗黒が広がるやみのせかい。
© ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/SPIKE CHUNSOFT/SQUARE ENIX © SUGIYAMA KOBO ℗ SUGIYAMA KOBO

『ドラクエ3リメイク』。見渡す限りの暗黒が広がる"やみのせかい"。

そして、この"やみのせかい"こそが初代『ドラクエ』と『ドラクエ2』で冒険の舞台となった大陸"アレフガルド"を含む世界でもあります。

しかし『ドラクエ3』の"やみのせかい"では、あえて時系列をボカした描写が多く、プレイヤーが初代『ドラクエ』と『ドラクエ2』の前日譚であることが気づきにくいように設計されています。

ゾーマを倒した後、エンディングを最後まで見ることで、エピローグのメッセージと「そして でんせつが はじまった!」という文章によって『ドラクエ3』が前日譚であるとハッキリ明らかになる仕掛けが施されています。

逆に、この仕掛けやゲームシステムの進化を考えなければ、物語の時系列順である【『ドラクエ3』⇒初代『ドラクエ』⇒『ドラクエ2』】の流れでプレイするのもアリに感じられるかもしれません。

ですが実際には、「"ロト三部作"はナンバリングの順番ごとにプレイしたほうが良い」とファンのあいだで語られることが多いようです。

その最たる理由は、上述の"『ドラクエ3』が前日譚である"と気付いた瞬間の衝撃が、ファンの心に強く残っているからでしょう。

それでも『ドラクエ3リメイク』を先にプレイしたほうが良い理由

これまで『ドラクエ』シリーズに興味を持ちつつも、全体を通してプレイしていないために、どの作品から優先して触れるべきか迷っている人も多いはず。すべての始まりである初代『ドラクエ』からプレイすれば良いようにも思えますが、実際には困難な面が多々あります。

初代『ドラクエ』を含む"ロト三部作"は、さまざまなゲーム機やスマホ向けに何種類ものリメイク版が発売されています。ただし、オリジナルのファミコン版(もしくはスーパーファミコン版や、ゲームボーイ版など)をプレイするためには、当時のゲーム機とソフトを揃える必要があります。

ほかにも"ロト三部作"は、Nintendo Switch向けに発売されていますが、これはスマホ版からの移植です。グラフィックやゲーム性など、最新のゲーム機向け作品としての遊び応えを期待すると肩透かしを食うかもしれません。

そういった部分を気にしない場合は問題ありませんが、むかしのゲーム機やソフトを集める手間に加えて、昨今の高精細なグラフィックが味わえないことは、シリーズ未経験の若い年齢のプレイヤーにとって、大きなマイナス点だと言えるかもしれません。

Nintendo Switchに移植された初代『ドラクエ』のスマホ向けリメイク作品。フィールドマップ
© 1986,2019 ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/SPIKE CHUNSOFT/SQUARE ENIX

初代『ドラクエ』のスマホ向けリメイク作品(Nintendo Switch移植版)。

『ドラクエ3リメイク』HD-2Dで表現された森林や入り江などの豊かな大自然
© ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/SPIKE CHUNSOFT/SQUARE ENIX © SUGIYAMA KOBO ℗ SUGIYAMA KOBO

『ドラクエ3リメイク』のフィールドマップ。森林や入り江などの豊かな大自然がHD-2Dで表現されている。

その一方で、HD-2D版の『ドラクエ3リメイク』は、現代のフルHD画面でも迫力を味わえるグラフィックで表現されています。さらに、HD-2D版『ドラクエ3リメイク』では、新職業"まもの使い"をはじめとして、主人公の父について掘り下げる追加エピソードなどの新要素、オートセーブや戦闘スピード調整といった機能面、バトル面、シナリオ面のすべてが令和の現代に合わせてリメイクされ、非常に遊びやすくなっています。

つまり、シリーズ未経験者が『ドラクエ3リメイク』の購入を念頭に入れている場合は、初代『ドラクエ』からプレイすることよりも、とにかく『ドラクエ3リメイク』を体験して、"最新の『ドラクエ』そのもの"に触れることが重要だと考えています。

もちろん、発売当時の衝撃や感動を味わうには、ファミコンを用意して初代『ドラクエ』と『ドラクエ2』をクリアした後に『ドラクエ3』をプレイすることがいちばんであることには違いありません。そうは言っても、これまでに『ドラクエ』シリーズに触れたことがないプレイヤーが、いきなりそんな準備をすることが現実的な選択肢だと言えるのでしょうか。

なお、公式からは2025年に『ドラゴンクエストI&II』(最新のリメイク版)が発売予定であることが告知されています。なにはともあれ、まずは直近のシリーズ最新作である『ドラクエ3リメイク』で"ロト三部作"の雰囲気をつかんでから、今後発売予定の『ドラゴンクエストI&II』を待つのが、もっともプレイヤーに負担の少ない選択肢だと言えるでしょう。

結論

『ドラクエ3リメイク』でエンディングを迎えて前日譚であることに気付いたときの衝撃は、"ロト三部作"を最初からプレイしていないと体験できません。だとしても、シリーズ未経験の人が『ドラクエ』の面白さを信じて、いきなりファミコンや"ロト三部作"のカセットを買ってプレイするのは少し現実的ではないかもしれません。現時点(2025年2月)では、HD-2D版の『ドラクエ3リメイク』をプレイしてから『ドラゴンクエストI&II』のHD-2D版発売を待つのがおすすめです。

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