メトロイドヴァニアという言葉はどこから来たのか?

ふたつのゲームタイトルを組み合わせた言葉

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重要なポイント

メトロイドヴァニアは『メトロイド』と『キャッスルヴァニア』の要素を組み合わせたジャンルです。プレイヤーはアップグレードを通じて新たなエリアに進むため、探索や地形を活用したアクションが求められます。プラットフォームゲーム、探索、アップグレード、新ルートの開放、戦闘などがおもな特徴で、『ブラスフェマス』や『ホロウナイト』などがその代表作です。

メトロイドヴァニアは、ふたつの代表的なゲーム、『メトロイド』と『キャッスルヴァニア』(『悪魔城ドラキュラ』の英題)を組み合わせた単語です。一般的には、2Dアクションアドベンチャーゲームの(サブ)ジャンルとして使われています。

『メトロイド』と『キャッスルヴァニア』のふたつのゲームに見られるような、非線形な探索、アップグレードで解放されるエリアなどのゲームプレイ要素を持つ作品を指しています。

メトロイドヴァニアを定義するゲームプレイ要素とは?

メトロイドヴァニアについて調べると、その特徴についてはさまざまな説明が見られます。しかし、もっともシンプルな定義としては、『メトロイド』シリーズと『キャッスルヴァニア』シリーズの要素を組み合わせたゲームが、メトロイドヴァニアということになります。

左側はプレイヤーが『メトロイド ドレッド』で壁を登っているシーンで、右側は『キャッスルヴァニア ロード オブ シャドウ 宿命の魔鏡 HD』でプレイヤーがピットを越えてブランコに乗っているシーンです。
© Nintendo / ©2013 Konami Digital Entertainment

左は『メトロイド ドレッド』、右は『キャッスルヴァニア Lords of Shadow 宿命の魔鏡 HD EDITION』のゲーム画面。

前述の両シリーズには、プラットフォームアクション、アップグレードの獲得、そしてそのアップグレードを使って障害物を乗り越える(または他のアクションを行う)といった要素が含まれています。また、過去に通った道を再び辿ることが重要なポイントにもなっています。

たとえば、鎖でできたバリケードに行き当たったとき、それを突破できないかもしれませんが、別の場所を探索すると、そのバリケードを破壊できるアイテムや能力を見つけることもあるでしょう。

とはいえ、メトロイドヴァニアとして分類されるゲームには、ほかにも多くの特徴があります。

『ブラスフェマス 2』では、プレイヤーが空中ダッシュを使って青い鎖を突破しているシーン—このゲームはメトロイドヴァニアジャンルに属します。
Blasphemous 2. Developed by The Game Kitchen. © 2023. Blasphemous 2 is a trademark or registered trademark of The Game Kitchen. Published by Team17. © 2023. Team17 is a registered trademark of Team17 Digital Limited.

メトロイドヴァニアジャンルに属する『ブラスフェマス 2』。プレイヤーが空中ダッシュを使って鎖を突破しているシーン。

①プラットフォームゲーム

メトロイドヴァニアの多くはプラットフォームゲーム(プラットフォーマー)です。プラットフォームゲームとは、足場から足場へと、落ちないようにジャンプで進んでいくアクションゲームのこと。

『メトロイド』や『キャッスルヴァニア』シリーズでは、ジャンプで足場を飛び越えるのはもちろん、障害物を避けたり、壁を登ったりといった地形を移動する要素が大きく取り入れられています。

とはいえ、すべてのプラットフォームゲームがメトロイドヴァニアではありません。

たとえば、多くの『スーパーマリオ』シリーズはプラットフォームゲームですが、メトロイドヴァニアとは異なります。なぜならば、道を再度辿る要素やアップグレードでしか進めないエリア、その他のゲームプレイ要素などが欠けている(あるいは乏しい)からです。

こうした移動(アクション)要素によって、プレイヤーはあらゆる障害物を乗り越えたり回避したりする方法を見つけることが求められます。また、物理的に、ある地点から別の地点へと移動する必要もあります。これにより、ゲームのスケール感をプレイヤーに感じさせる効果もあります。さらに、致命的なトラップを避けるスキルを自然に身につけさせることで、ゲームプレイに挑戦をもたらします。

『ブラスフェマス』では、プレイヤーが狭い廊下でスパイクの下にかがんで通り抜けているシーン。
Blasphemous. Developed by The Game Kitchen. © 2019. Blasphemous is a trademark or registered trademark of The Game Kitchen. Published by Team17. © 2019. Team17 is a registered trademark of Team17 Digital Limited.

『ブラスフェマス』のゲーム画面。地面と天井から突き出る槍を避けながら通り抜けているシーン。

加えて、それらの手法はプレイヤーを、ゲームの世界観をはじめとした各種要素に引き込むための理想的な手段でもあります。プラットフォームゲームは、メトロイドヴァニアの探索要素やサイドスクロールの要素と密接に結びついています。

②探索

プラットフォームゲームと同様に、探索もメトロイドヴァニアにおいて重要な要素です。このジャンルの多くのポイントは、美しさ、悲劇、またはその両方に満ちた世界をプレイヤーに探検させることです。前述のプラットフォームゲームのセクションでも触れたように、これにより開発者はプレイヤーにさまざまな風景を見せることができます。

探索は、ユニークな世界観や興味深い背景設定を持つゲームでは、とくに満足感をもたらします。プレイヤーは自分がゲームの一部になりたいのであって、単にピクセルで描かれた背景を通り過ぎるだけでは満足しません。ゲームとは、インタラクティブに楽しむメディアであり、プレイヤーが物理的、精神的、そして感情的に引き込まれる要素を備えている必要があります。

『オリと暗闇の森』では、夜の森でプレイヤーが丸太の上を駆け抜けているシーン。
© 2019 Microsoft. All rights reserved.

『Ori and the Blind Forest (オリとくらやみの森) 』で、プレイヤーが丸太の上を駆け抜けているシーン。

のちにファストトラベルが解除されることもありますが、そのまえにプレイヤーが世界を走り、飛び跳ね、登ることでメトロイドヴァニアの最大限の楽しみを得ることが重要です。探索は新しいルートの開放と密接に関わっています。

また、探索を奨励するために、マップの至るところに秘密や報酬が隠されている、というのもよくある要素です。怪しげな壁を叩いて、それが宝箱で溢れる部屋への道を隠していたと分かった瞬間ほど満足感を得られるはずです。

③サイドスクロール(サイドビュー)

サイドスクロール(サイドビュー)とは、2Dゲームで画面の端まで歩くと新しいエリアに移動することを指します。いわゆる横視点です。

たとえるならば、YouTubeのショート動画を見ていて、次の動画に進むために下にスクロールするようなものです。メトロイドヴァニアにおけるエリア間の移動は、まさにその動画をスクロールしている動作と同じです。

ゲーム全体のデータを一度にロードするのではなく、メトロイドヴァニア(他の多くのジャンルも同様)では、ゲームをいくつかの分かれたエリアごとに分けてロードします。これにより、ゲームエンジンへの負荷が大幅に軽減され、ゲームのパフォーマンスが向上し、ラグやクラッシュの回避につながります。スクロールして次のエリアに進むという行為は、ゲームの負荷を軽減し、安定性を高める自然な方法です。

④2Dと3D

ネット上では、3Dゲームがメトロイドヴァニアと呼べるかどうかについて熱い議論があります。この議論は、『メトロイド』や『キャッスルヴァニア』の両シリーズが2Dや3Dの視点に限定されていないことから生まれています。これらのシリーズには、2D、3D、そして2.5D(2Dと3Dの要素を組み合わせたもの)のタイトルがあります。

したがって、メトロイドヴァニアは2D、2.5D、3Dのいずれの形式でも正当であると言えます。視点が変わってもゲームプレイに悪影響を与えるわけではありません(ゲームの質に関する否定的な意見が問題です)が、ほとんどのメトロイドヴァニアは2Dであることが一般的です。

『ブラッドステインド:リチュアル・オブ・ザ・ナイト』では、プレイヤーが敵の上を天井を歩いて移動しているシーン—これは2.5Dのメトロイドヴァニアゲームです。
Developed by Artplay, Inc.. Published by 505 Games S.p.A. "505 Games" and the 505 Games logo are all trademarks and/or registered trademarks of 505 Games S.p.A. All rights reserved. "ArtPlay, Inc." and the ArtPlay logo are all trademarks of ArtPlay, Inc. All rights reserved. “Bloodstained” is a trademark and/or registered trademark of ArtPlay, Inc.

『Bloodstained: Ritual of the Night』は2.5Dのメトロイドヴァニアです。

これは、多くの開発者が、古い『メトロイド』や『キャッスルヴァニア』シリーズの視点を模倣していたためです。そもそもこれらのシリーズは2Dに限定されていましたが、技術の進歩によりいくつかの3Dゲームも登場しました(『メトロイドプライム』シリーズなど)。

とはいえ近年では、2D視点への回帰が再び人気となっています。たとえば、『メトロイド ドレッド』や『キャッスルヴァニア ロード オブ シャドウ 宿命の魔鏡』のような比較的新しいメトロイドヴァニアがその例です。

⑤アップグレード

戦闘能力や移動の向上に関わるアップグレードは、メトロイドヴァニアの重要な要素です。これらの強化は、ゲーム内で見つかる新しいアイテム、スキル、アビリティの形で登場します。

もっとも単純な例では、以前は通れなかった扉を開ける"鍵"として現れます。また、アップグレードはキャラクターの新たな能力として現れ、未探索のエリアに到達したり、より強力な攻撃を繰り出すことができるようになります。

理想的には、アップグレードによって新しいエリアに足を踏み入れたり、新たな戦術を駆使できるようになるべきです。これらのメカニズムは、新たなルートの開放、難易度、パズルと密接に結びついています。

⑥新たなルートの開放

探索を進めてアップグレードを獲得すると、必然的に新しいルートが開かれます。これはすべてのメトロイドヴァニアの核心的な特徴です。難解な地形を進み、行き止まりにぶつかり、足跡を辿りながら、プレイヤーは自然と世界の構造を学んでいくことになります。

コレクションアイテムをすべて集めたいプレイヤーは、まだ探索していない場所を頭に記憶し、そこにお宝が眠っているかもしれないという期待を抱きます。これにより、ゲームのプレイ時間が自然に延びる一方で、フラストレーションを感じることなく、隅々まで探求したいプレイヤーに報酬が与えられます。

『ホロウナイト』のマップ。
Hollow Knight © 2018 Team Cherry

『Hollow Knight』のマップ。

さらに、進行が不可能な障壁で阻まれることもよくあります。鍵のかかった扉の向こうに何があるかがうっすら見えることもありますが、それを通るには、のちのちプレイヤーが強く、賢く、より熟練した状態で戻ってくる必要があります。開発者はこれを利用して、先にある魅力的な詳細をプレイヤーにチラ見せし、興味を維持させたり期待感を高めたりします。

⑦難易度

個々のゲームの難易度は大きく異なることがありますが、古典的に言えば、『メトロイド』や『キャッスルヴァニア』の各シリーズ(そしてメトロイドヴァニア)は、チャレンジングなものであることが意図されています。

ここで、難易度と理不尽なゲームプレイには大きな違いがあることを指摘しておく必要があります。たとえば、プレイヤーに回避、パリィ、正確なタイミングでの攻撃を訓練させることは、公平でバランスの取れたゲームプレイです。一方、あまりにも多くの敵を一度に送り込むことは、率直に言えば、不自然で怠惰であり、想像力に欠けるデザインと言えます。

「多すぎる」と感じるかどうかは主観的であり、ゲームに依存しますが、参考までに言えば、ボス級の敵を2体同時に戦うのは難しいものの、うまくデザインされたゲームなら十分に対処可能です。しかし、3体同時となると、多くの状況ではやりすぎと言えるでしょう。

⑧パズル

すべてのメトロイドヴァニアにパズルが含まれているわけではありませんが、多くの作品に見られます。戦闘に代わる要素として、プレイヤーに提示される課題の種類を多様化させる役割を果たします。時にはパターンを覚える必要があったり、新しいエリアに到達するために一連のジャンプや空中ダッシュを実行しなければならないこともあります。

『ザ・ラスト・フェイス』では、プレイヤーが火を吹くガーゴイル像に対峙しているシーン—ピクセルグラフィックスのメトロイドヴァニアゲームです。
Published by Playstack Ltd. © 2023, Playstack and Kumi Souls Games, all rights reserved.

『The Last Faith』のゲーム画面。火を吹くガーゴイル像と対峙!

問題解決スキルを向上させることは、戦闘の技術を試すための優れたゲームプレイ要素であり、この多様化は冒険を一層豊かにします。これにより、ゲームが単調になるのを防ぎ、意外にも教育的な側面を持つゲームでも知的な側面がさらに強化されます。

⑨ほとんどがシングルプレイヤー

ごく少数の例外を除いて、メトロイドヴァニアの多くはシングルプレイヤーの体験です。暗くねじれた目的地への冒険を始める際、ほとんどの場合、あなたはひとりでそれを進めることになります。これは、過去の『メトロイド』や『キャッスルヴァニア』がローカルおよびオンラインのマルチプレイヤー機能をサポートしていないことからも明らかです。

ただし、このジャンルのいくつかのタイトルでは、家族や友人といっしょににプレイすることもできます。良い例が『Salt and Sanctuary』で、このゲームでは、一部のプラットフォーム(プレイステーション4、Nintendo Switch、PC)で仲間とともに暗く塩辛い世界を冒険することが可能です。

『ソルト アンド サンクチュアリ』では、明るい部屋にある扉、いくつかの旗、立っているトーチの隣に2人のプレイヤーが立っているシーン—これもメトロイドヴァニアゲームです。
Salt and Sanctuary © 2018 Ska Studios

『Salt and Sanctuary』はローカル(オフライン)でマルチプレイが可能です。

「人が多ければ多いほど楽しい」というアプローチは素晴らしいですが、このジャンルでは非常に珍しいです。将来的には、こうした機能を備えたメトロイドヴァニアがもっと増えるかもしれません。

⑩ハック、スラッシュ、そして戦闘

戦闘が含まれていなければ、メトロイドヴァニアに分類することはできません。もしエイリアンやアンデッドモンスターを倒す要素がなければ、それはアートゲーム(雰囲気ゲーム)と言っても過言ではないでしょう。アートゲーム自体は素晴らしいですが、メトロイドヴァニアとは言えません。一方で、メトロイドヴァニアもアートになり得るのは確かです。『Blasphemous』や『Blasphemous 2』の美しいビジュアルを見ればそれがわかります。

『ブラスフェマス 2』のカットシーンでは、3つの巨大な像が日の出の中、都市の一部を支えているシーン。
Blasphemous. Developed by The Game Kitchen. © 2019. Blasphemous is a trademark or registered trademark of The Game Kitchen. Published by Team17. © 2019. Team17 is a registered trademark of Team17 Digital Limited.

『Blasphemous 2』のゲーム画面。3体の巨大な像が都市の一部を支えているシーン。

メトロイドヴァニアをプレイする大きな理由のひとつは、触手を持つエイリアンや吸血鬼、狼男、ゾンビの群れなどと戦い抜くことです。

さらに、敵の多様性も『メトロイド』や『キャッスルヴァニア』のゲームにおいて重要な要素です。このふたつのシリーズにちなんで名付けられたジャンルが、同じ特徴を持っているのは当然のことです。

⑪美的要素

ゲームごとに視覚や聴覚のスタイルは大きく異なりますが、優れたメトロイドヴァニアは素晴らしいグラフィックと魅力的なサウンドが必要です。『メトロイド』シリーズはつねに印象的なアートデザインの最前線にあり、『キャッスルヴァニア』シリーズは一貫して素晴らしい音楽を伴っています。

その逆もまた然りです。『メトロイド』シリーズはしばしば完璧なオーディオデザイン(あのクールで狂気じみたエイリアンの音!)を持ち、『キャッスルヴァニア』はしばしば美しいビジュアル(ドラキュラ城の内装はダークファンタジーの王室の極致)を誇っています。

『キャッスルヴァニア ジャッジメント』のドラキュラの玉座の間—金の壁、赤いカーペット、骸骨で覆われた玉座、そしてドラキュラを描いた大きな絵が背後に飾られた階段が見えます。
©Konami Digital Entertainment

『悪魔城ドラキュラ ジャッジメント』の"ドラキュラの玉座の間"、ステンドグラスの描写が美しい。

メトロイドヴァニアという言葉はどこから来たのか?

この言葉が『メトロイド』と『キャッスルヴァニア』を組み合わせたものであることは明らかですが、一体誰が考え出したのでしょうか?

残念ながら、この議論の多くの詳細は時の流れのなかで失われてしまいました。しかし、多くの人は、"メトロイドヴァニア"という用語が誕生したのは、1997年に発売された『悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲』のリリース直後だったと考えています。

『悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲』は、『メトロイド』のような要素(非線形の探索、アップグレードで解除される扉など)を多用した最初の『キャッスルヴァニア』作品でした。このゲームが広く成功を収めたことで、そのゲームデザインの方程式はますます目立つようになりました。

2000年代初頭、ビデオゲームジャーナリストのJeremy Parish(ジェレミー・パリッシュ)が、このような『悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲』に似たゲームを説明する際に"メトロイドヴァニア"という言葉を頻繁に使用し始めました。彼はこの言葉をほぼ過剰に使っていたと言われていますが、彼自身はこの言葉を作り出したとは主張していません。

パリッシュは、2017年のUS Gamerの記事で、この用語を最初に聞いたのは、かつての1up.comの同僚スコット・シャーキーからだったと述べています。とはいえ、パリッシュはこの用語を広めたことを否定していません。

とはいえ、この用語の起源については、これ以外の情報はあまり残っていません。1up.comからの公式声明もなく、実際には1up.com自体がすでに存在していません。幸いなことに、シャーキー本人(おそらく)は、X(旧Twitter)でこの問題に関するシンプルで決定的な投稿をし、状況を明らかにしたようです。

 

この用語を取り巻く伝説や謎にもかかわらず、その起源に関する答えは意外にも、そして満足のいくほど簡単なものでした。

メトロイドヴァニアとソウルライクの関係性

現代では、いくつかのメトロイドヴァニア作品がソウルライク独自の要素を取り入れており、これによって両者のジャンルが混ざり合うこともあります。

ときに、メトロイドヴァニアとソウルライクはしばしば混同されがちです。

なお、ジャンルが生まれた順で言えば、メトロイドヴァニアが先に登場したことは明らかで、最初のメトロイドヴァニア作品とされる『悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲』は1997年にリリースされました。一方、最初の"ソウル"ゲームである『デモンズソウル』(2009年)はそれよりも後に登場しています。

『デモンズソウル』のカバーイメージ。
©2009 Sony Computer Entertainment Inc.

『デモンズソウル』のキービジュアル。

両者は似ている部分もあり、ソウルライクは多くの要素をメトロイドヴァニアから引き継いでいますが、いくつかの違いも持っています。

ソウルライクは、アクションRPGの再定義に寄与し、速さを追求する時代のなかで、より遅く、慎重な戦闘アプローチを強調しました。タイミングは連続攻撃を繋げることよりも、敵の動きに反応することが重要になりました。盾を使った防御やパリィが重要な要素となり、同時にローリングやステップなどの回避行動が取り入れられました。

さらに、スタミナバーという要素が定着し、攻撃を無闇に連打することが防がれました。もしスタミナを使い果たせば、敵を攻撃する、攻撃を防ぐ、強力な攻撃を避けるといった行動が制限されてしまいます。

そして重要な違いは、ソウルライクの多くが3Dであるのに対し、メトロイドヴァニアの多くは2Dであることです。ソウルライクが3Dなのは、ジャンルの元祖であるゲームが3D視点で設計されていたからです。これは、メトロイドヴァニアの多くが2D視点であったために、同様に2Dであることと似ています。

あらためてとなりますが、現代では、いくつかのメトロイドヴァニア作品がソウルライク独自の要素を取り入れており、両者のジャンルが混ざり合うことがあります。このため混同が生じやすくなっていますが、それも理解できることです。子どもは親から学びますが、逆に親が子どもから学ぶこともあるのです。

メトロイドヴァニアのおすすめ作品

とくに順番はありませんが、これまでにリリースされた最高のメトロイドヴァニアのいくつかを紹介します。もし複雑な戦闘を伴うプラットフォームゲームが好きなら、メトロイドヴァニアというジャンルを探求する価値があります。下記のリストはどのゲームもおすすめです。

  • スーパーメトロイド
  • メトロイド ドレッド
  • 悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲
  • Cave Story+
  • Shadow Complex
  • 覆面闘士 マスクド・ウォリアーズ
  • Ori and the Blind Forest (オリとくらやみの森)
  • Ori and the Will of the Wisps
  • ブラッドステインド:リチュアル・オブ・ザ・ナイト
  • ブラスフェマス
  • ブラスフェマス 2
  • Dead Cells
  • Hollow Knight
  • ENDER LILIES: Quietus of the Knights
  • The Last Faith
  • Skul: The Hero Slayer
  • Salt and Sanctuary
  • Dark Devotion
  • ASTLIBRA Revision
  • Dust: An Elysian Tail
  • Axiom Verge
  • ローグ・レガシー2
  • シャンティと7人のセイレーン
  • ロードス島戦記-ディードリット・イン・ワンダーラビリンス-
  • Insanely Twisted Shadow Planet