重要なポイント
1990年代は多種多様なゲーム機が乱立。そのシェア争いは"次世代ゲーム機戦争"とも呼ばれました。なかには商業的に失敗したゲーム機や周辺機器もありましたが、それらの革新性が現代のゲーム機の基礎を築き、業界の成長を支えたことを忘れてはいけません。
'90年代のゲーム業界といえば、日本国内のテレビゲーム市場がもっとも拡大した時期だ。
1990年~1999年までの10年間でゲーム機の性能は一気に向上し、16ビット機のスーパーファミコン(任天堂/1990年)を皮切りに、32ビット機のプレイステーション(ソニー・コンピュータエンタテインメント/1994年)や、セガサターン(セガ/1994年)、そして64ビット機のNINTENDO64(任天堂/1996年)、ドリームキャスト(セガ/1998年)……と、瞬く間に進化を遂げていく。
そのゲームメーカー同士の目まぐるしいシェア争いは、"次世代ゲーム機戦争"とも呼ばれ、まさに'90年代は多種多様のゲーム機が乱立した時代。
そんな爆発的に売れたゲーム機たちの背後には、競争に負け自然と淘汰されていったゲーム機や周辺機器たちが多く存在するのを忘れてはならない。
なぜならば、それら"日の目を見なかった(売上や人気が振るわなかった)"ゲーム機や周辺機器たちが存在しなければ、現在のNintendo Switchやプレイステーション3などの最新ゲーム機が生まれなかったかもしれないからだ。
"日の目を見なかったゲーム機"の数々
'90年代の愛すべき"日の目を見なかった"ゲーム機や周辺機器たちたちの名前を挙げればキリがない。
- PCエンジンGT(NECホームエレクトロニクス/1990年)
- パワーグローブ(PAX/1990年)
- アタリジャガー(アタリジャガーCD)(アタリ/1993年)
- レーザーアクティブ(パイオニア/1993年)
- 3DOリアル(松下電器/1994年)
- プレイディア(バンダイ/1994年)
- PC-FX(NECホームエレクトロニクス/1994年)
- バーチャルボーイ(任天堂/1995年)
- サテラビュー(任天堂/1995年)
- ピピンアットマーク(バンダイ・デジタル・エンタテイメント/1996年)
- game.com (Tiger Electronics/1997年) ※日本未発売
- ネオジオポケット(SNK/1998年)
- ワンダースワン(バンダイ/1999年)
など……。もちろん(当時もいまも)コアなファンから支持されている人気のあるゲーム機や周辺機器もあるけれど、売上的には"日の目を見なかった"のは事実。
その理由には、ソフトのラインナップが揃わなかったり、低品質なゲームが多かったり、宣伝不足で魅力が伝わなかったり、高価格で手が出しにくかったりとまちまちちだ。
"先駆者"として評価したいゲーム機&周辺機器
とはいえ、ゲーム界の"先駆者"として、そのチャレンジ精神を多いに評価したいゲーム機&周辺機器も数多く存在する。
そのひとつに挙げたいのが、手袋のカタチをしたファミコン用の周辺機器、パワーグローブ(PAX/1990年)だ。
(ブラウン管の)テレビに専用のセンサーを取り付け、本体を手に装着すれば準備完了。手(グローブ)をテレビ画面にかざして、上下左右に動かすことにより、ゲームキャラクターを操作することができるという特殊なコントローラーだ(現在でいえば、Joy-Conのジャイロ操作のような操作性)。
初めて筆者が、この周辺機器を使ったときには未来を感じさせる斬新なテクノロジーに感動し、心ときめいたものである。
ただ、センサーの反応や認識は非常に微妙で、使いこなすのは相当困難だった記憶がある。
そして、バーチャルボーイ(任天堂/1995年)も忘れてはいけない、こちらもゲーム界の"先駆者"のひとり(1台)だ。
ゴーグル型のディスプレイ(本体)を覗き込むようにしてプレイし、視差の概念を採り入れて立体表現を実現した"3Dゲームが楽しめる"ゲーム機である。
"バーチャル"という単語は時代を感じさせるものの、それまでに似たようなゲーム機は存在しなかった。
のちに、ニンテンドー3DS(任天堂/2011年)で、ゴーグルを覗き込むことのない"立体視"を実現させるが、バーチャルボーイのチャレンジがなければ、もしかしたらニンテンドー3DSは誕生していなかったかもしれない。
ちなみに筆者は、たまに押し入れからバーチャルボーイを引っ張り出して遊ぶのだが、個人的には、この独創性溢れるゲーム機が大好きである。
開拓者精神のあるゲーム機に期待
'90年代のゲーム業界はさまざまなゲーム機が奮闘し、未来を切り開くための開拓者精神に満ちあふれていた。
1975年に日本初の家庭用テレビゲーム機(エポック社のテレビテニス)が発売されてからおよそ50年……そのあいだ、ゲーム機の性能は格段とアップし、そしてさまざまな機能が洗練されていった。
しかしながら、当時のようなあの海のモノとも山のモノともつかないカオス感は薄まってしまった印象もある。
いまの時代、なかなかチャレンジングなゲーム機をリリースするのは難しいのかもしれないが、個人的には「なんだこれ!?」というようなワクワクを感じるプロダクトの登場に期待したい。