『ファイナルファンタジーVIIリバース』でエアリスは死ぬのか?

『リバース』は運命とファンの期待を巧みに操る

ライター /

重要なポイント

  • 『ファイナルファンタジーVIIリバース』におけるエアリスの死はオリジナル版を反映していますが、代替タイムラインがその最終性を曖昧にしています。
  • クラウドとライフストリームとのつながりによって、複数の現実や変更された出来事が明らかになります。
  • マルチバースの混乱により、エアリスの物語は未解決のままとなり、3部作の結末に向けて高い緊張感が設定されています。

ビデオゲームの歴史のなかで、プレイヤーにこれほどの衝撃を与えた瞬間はほとんどありません。1997年に発売されたオリジナルの『ファイナルファンタジーVII』で描かれたエアリス・ゲインズブールの運命は、その象徴的かつ悲劇的なシーンとしてゲーム史に刻まれています。セフィロスによる突然の死はプレイヤーを驚かせ、喪失と希望というゲームのテーマを象徴する重要な役割を果たしました。

そして『ファイナルファンタジーVII リメイク』では、彼女の運命が以前ほど確定的ではなくなっています。フィーラーや異なるタイムライン、マルチバースの要素を取り入れることで、スクウェア・エニックスは物語を一層深め、ファンに疑問を投げかけています。

「エアリスは『ファイナルファンタジーVII リバース』(以下、『リバース』)でも同じ悲劇的な結末を迎える運命にあるのか? それとも今回は異なる未来が待っているのか?」

この記事では、『リバース』におけるエアリスの運命について考察します。スクウェア・エニックスがどのようにして彼女の物語を再構築し、マルチバースの混沌を取り入れたのかを掘り下げます。果たしてエアリスの運命は本当に確定しているのでしょうか? それとも、『リバース』は私たちの予想を覆す驚きを秘めているのでしょうか? いっしょに探ってみましょう。

エアリスの運命を振り返る:ゲーム史を定義する死

エアリスの運命を振り返る

© SQUARE ENIX

オリジナルの『ファイナルファンタジーVII』におけるエアリスの死は、ゲーム史の礎と言える瞬間です。1997年の名作で、最後のセトラであるエアリスは、セフィロスのメテオに対抗し星を救うほどの力を持つ魔法"ホーリー"を召喚するという重責を担います。彼女の旅は忘らるる都へと続き、そこで使命を果たすために祭壇で祈りを捧げます。しかし、彼女がその役目を果たすまえに、セフィロスが降り立ち、衝撃的な最終局面で彼女を斬り倒します。

エアリスの死はプレイヤーに大きな衝撃を与え、クラウドや仲間たちとともに突然の喪失を嘆くことになりました。しかし、彼女の犠牲は仲間たちにとっての大きな転機ともなり、セフィロスと彼がもたらそうとする破壊に立ち向かうため、彼女の遺志を背負って旅を続ける原動力となりました。

エアリスは『リバース』で死ぬのか?

エアリスは『リバース』で死ぬのか?

© SQUARE ENIX

エアリスは『リバース』で死にますが、それは複雑です。忘らるる都で、彼女は祭壇で祈りを捧げながら、セフィロスのメテオを阻止するためにホーリーを召喚しようとしています。オリジナル版と同じように、セフィロスが現れ、彼女を殺します。それは残酷で、胸が張り裂けるようで、最終的なもののように感じられます。

しかし、もちろん、スクウェア・エニックスがそれだけで終わらせるわけがありません。

『リバース』は、代替タイムラインや重なり合う現実を導入することで、この瞬間を複雑にしています。あるバージョンでは、エアリスは予想通り死にます。しかし、別のバージョンでは、クラウドが介入して彼女を救うことができます。これらの変化する視点は、何が現実なのかをプレイヤーに問いかけ、エアリスの物語、そして彼女の死が、かつてほど確定的なものではないかもしれないという考えを示唆しています。

マルチバースの難題:本当に彼女は死んでいるのか?

マルチバースの難題

© SQUARE ENIX

『リバース』では、スクウェア・エニックスがエアリスの死をマルチバースの視点から再構築しています。単一の物語ではなく、エアリスの運命が異なる複数のタイムラインが描かれています。あるタイムラインでは彼女が死に、別のタイムラインでは重傷を負ったり、さらには生存する場合もあります。その結果、プレイヤーはつねに不確実性と向き合わざるを得ない物語が展開されます。

この混沌の中心にいるのがクラウドです。ライフストリームとのつながりにより、彼はこれらの代替現実を知覚することができます。他の仲間たちがあるタイムラインでエアリスの死を嘆くなか、クラウドは別のタイムラインで彼女の姿を垣間見たり、他の誰にも見えない彼女と会話することがあります。それはトラウマなのでしょうか? 魔晄への曝露による副作用でしょうか? それとも単にスクウェア・エニックスがマルチバースの物語の狂気を完全に受け入れた結果なのでしょうか? ゲームは明確な答えを示しません。

リバースが提示するのは、エアリスの物語に新たな層を加えることです。このゲームは運命と自由意志、歴史を書き換えることの代償、そして過去は変えられるべきなのか、あるいは変えられるのかという大きな存在論的なテーマに触れています。

喪失を抱える仲間たちと残り続ける魂

喪失を抱える仲間たちと残り続ける魂

© SQUARE ENIX

『リバース』でエアリスが死んだ後、仲間たちは深い悲しみに包まれます。彼らは忘らるる都に集まり、彼女の死を悼み、その不在の重みに苦しみます。しかし、彼女の死が仲間たちにとって最終的なものに感じられる一方で、クラウドは異なる体験をします。彼にはエアリスの姿がまだ見え、話すことができるのです——彼女の魂がライフストリームに結びついているのか、あるいは完全に別のタイムラインに存在しているのかもしれません。

これは『ファイナルファンタジーVII』のファンにとって新しいテーマではありません。スピンオフ小説『On the Way to a Smile』では、エアリスとセフィロスの意識が死後もライフストリーム内で活動を続けていることが語られています。セフィロスはそれを利用して破壊をもたらし、エアリスはそれを通じて助けを与えます。『リバース』はこれを引き継ぎ、エアリスが死後もなお果たすべき役割を持っていることを示しています。

クラウドとエアリスのつながりは、クラウドが代替タイムラインを知覚する能力にも結びついています。ゲームの終盤で彼はまだ黒マテリアを手にしており、空に巨大な裂け目が見える——マルチバースが崩壊しつつある兆候です。エアリスの存在は意図的であるかのように感じられ、彼女はクラウドを導いたり、これから起こることに備えさせたりしているように見えます。彼女が仲間たちと物理的に一緒にいないとしても、彼女が戦いを終えていないことは明らかです。

これは次回作に向けて大きな疑問を投げかけます。クラウドはエアリスやセフィロスのように世界を超えることができるのでしょうか?彼とのつながりが、セフィロスの全タイムライン統合計画にどう影響を与えるのでしょうか?

『リバース』は結末を明かさず、エアリスの物語とその影響がまだ終わっていないことを明確にしています。

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