
重要なポイント
『FloraMancer : Seeds and Spells』は、ゲーム開発者のJoe Sullivan氏によって制作された作品です。主人公はフィールドを探索しながら花を育て、その花が生み出す魔法を使って探索をする……というサイクルを繰り返すのがメインの遊びかた。
美しい森を取り戻すため、伐採を続けるロボット軍団との戦いに終止符を打ちましょう。
美しい森が危機に瀕している……。『FloraMancer : Seeds and Spells(以下、FloraMancer)』は、そんな世界を舞台にした、アクション+ファーミング(農業系)ジャンルのインディーゲームです。
主人公は、植物と魔法を操る"フローラマンサー(花魔術師)"の唯一の生き残り。この主人公はフィールドに種を植えて花を育て、それらが生み出すさまざまな魔法を駆使し、無慈悲なロボットの侵攻から森を守るために戦います。
開発を手がけたのは、ゲーム開発者のJoe Sullivan氏がCEOを務める、カナダに拠点を置くインディゲームディベロッパーのBrookwood Games (ブルックウッド・ゲームス)。
『FloraMancer』はもともと英語・フランス語・ポルトガル語・ドイツ語でプレイできましたが、このたび日本語でのローカライズも行われ、さらに多くのユーザーが楽しめるようになりました。
本記事では、そんな本作の概要や魅力をご紹介します。
"自然破壊"という濃いテーマを、シンプルなストーリーテリングで展開




本作のストーリーは、豊かな自然に囲まれた星がロボットの侵略を受けるところから始まります。ロボットたちは山を削り、美しい森をなぎ払い、海を汚しました。



星の住人である"エロウェン"は自らの死期を悟りながらも、この状況に一石を投じるべく、最後の"花魔術師"こと"フローラマンサー"を召喚し、望みを託します。そして主人公はロボットを止めるために、まず3つの"発電機"を破壊するように命じられるのでした。
しかし、その旅の道中は一筋縄ではいきません。星のあちこちには敵勢力であるロボットが徘徊しており、容赦なく攻撃を浴びせてくるのです。プレイヤー(あなた)に委ねられたこの星の運命は、果たしてどこへ向かうのでしょうか?

チュートリアルの最後に、今後やるべきことが告げられます(これがのちに、"エロウェン"のメッセージだと分かる)。地面にメッセージが書いてあるので、進みながら読めます。
このように"自然破壊"という濃いテーマを扱った本作のストーリーですが、基本的にはフィールドにいるキャラクターとの会話や、特定のオブジェクトを調べたときなどに詳細が明かされる仕組みになっています。つまりプレイヤーは、冒険の最中に自らの手によってストーリー背景を理解・補完していくことになります。
冒頭から多くが語られないからこそ、先の展開が気になって進めたくなるという点は、『Floramancer』の魅力のひとつだと言えるでしょう。
また、"ストーリー語り"がシンプルに作られている点は、プレイヤーのゲームプレイを阻害しにくいという点においてメリットにもなり得ます。
花を育て、魔法を駆使して冒険!

ゲーム開始直後、この画面からスタートします。いきなりキャラクターを動かせるわけです。
『Floramancer』はアクションゲームらしく広大なフィールドを探索し、襲い来る敵と戦いながら冒険の目的を達成していくことになります。そして、その道中において不可欠なのが、種から育てる花と、それらを収穫することで使える魔法です。

花の収穫が、本作のキモです。
花にはおもに水・炎・土・風の4属性があり、主人公は収穫した花に応じた魔法を使えます。


魔法は敵への攻撃手段としてはもちろん、炎属性なら枯れた木を燃やして道を切り拓く、風属性なら敵の攻撃を跳ね返すなど、それぞれが異なる役割を果たします。また、4属性とは別に回復魔法もあります。


ただし、魔法を使うと花それぞれがもつ"マナ"を消費し、これがなくなると、その花は手元から消えてしまいます。つまり、冒険の最中は基本的に手持ちの花がコロコロと入れ替わることになります。





花を収穫するにはフィールドで種を入手し、それを植える必要があります。植えた種(花)にはレベルの概念があり、時間経過、もしくは属性に応じた適切な魔法を当てることで成長します。
そして、種が成長した状態で花を収穫すれば、魔法の威力や"マナ"の最大値(魔法の使用回数や使用時間)がアップします。まさに、自然のチカラを味方につける独特なシステムだと言えるでしょう。


チュートリアルを終えると主人公は"魔法の庭"に招かれ、そこを拠点として各地を巡ります。"魔法の庭"は敵が出現しない安全な場所であり、多くの種を育てるのに十分な広さがあるため、フィールドで集めた種を持ち帰り、あらかじめ栽培しておくのが攻略のポイントとなります。





広大なフィールドには、敵以外にもさまざまなギミックが待ち受けています。たとえば、ある場所は道が鉄塊のようなもので封鎖されており、特定の属性の種(苗)をいくつか置かなければ先に進めなかったりします。こうした仕掛けは、プレイヤーの「この先には何があるのだろう?」という気持ちをかき立てます。



敵勢力となるロボットも、設置型で追尾する弾を発射するもの、ネズミのような見た目でひたすら突進をしてくるものなど、じつに種類が豊富で飽きがきません。また、当面の目的である破壊対象の"発電機"も、激しい攻撃で抵抗してきます。
こちらもつねに動き回って攻撃をしなければならないので、敵との戦闘はまるでシューティングゲームのようです。ボタン押しっぱなしで魔法を撃ちつつ移動するだけなので操作は簡単ですが、戦闘は単調になりにくいと筆者は感じました。

どれも厳しいですが、「魔法スロットを1つ失う」は、かなり重いペナルティです。種はまた集めなおせばよいので、この場合はいちばん右が無難です。
そんな敵との戦闘で攻撃を食らったり、地形でダメージを受けたりして主人公の体力がゼロになると、不思議な空間に飛ばされます。そこを進んでいくと3つの扉があり……なんと、ペナルティを課されます。場合によってはかなり手厳しい枷となりますが、プレイヤー自身に選ばせてくれるだけ、まだ優しい!?
やりごたえは十分だけれど、アクションが苦手でも大丈夫!

このタイトル画面から、骨太アクションは連想できない!
あえて正直に言いましょう。筆者は最初、本作に対して、グラフィックの雰囲気だけで「簡単そうなゲームだ」という先入観を抱いていました。しかし、実際にプレイしてみると、まるでそんなことはありませんでした。

油断して、ザコにやられました……。
まず、敵の攻撃が思ったより激しかった点が挙げられます。1対1の状況ならばまだしも、3~4体の敵を同時に相手にしたときは、攻撃をかわしながら反撃する必要があるので、なかなか大変でした。
次に、手持ちの種や魔法におけるリソース管理の難しさです。魔法の"マナ"は有限なので、どこでも撃ち放題というわけにはいきません。とくにフィールドによっては道を切り拓くために大量の"マナ"が必要な場所もあるわけですが、そんな状況でも敵との戦闘に使うぶんを確保しておかなければならないのです。

序盤はインベントリがすぐいっぱいになります。
手持ちの種を植えれば戦闘用の魔法を確保することはできますが、そもそも種を植えられる地面がなかったり、花を素早く育てられる(花に合った適切な属性の)魔法を用意できなかったりすることも少なくありません。おまけに最初はスロットの数も少ないので、選択肢も限られます。
実際、ボス敵にあたる"発電機"との初戦闘はリソース不足が原因でかなり苦戦したため、いざというときに魔法が不足しないよう、"魔法の庭"で花をたくさん育てておくことが本当に重要だ、と知ることになりました。
こうした要素から、そのほんわかした見た目とは裏腹に、本作は非常にやりごたえのあるゲームだと筆者は考えを改めました。

「けっこう難しいのでは?」と感じたみなさん、どうかご安心ください! 本作はゲーム開始直後に"ほんわか"、"中間"、"ハードコア"の3種類から難易度を選べます(筆者は"中間"を選択)。
アクションゲームが苦手なかたは"ほんわか"を、刺激的なゲーム体験を求めるかたは"ハードコア"を選ぶなど、自分に合ったものをチョイスしましょう。
きめ細やかなドット絵で描かれた温かみのあるグラフィックと、穏やかなBGMも大きな魅力の『Floramancer』。シューティングっぽいアクションゲーム、植物を育てるゲーム、魔法が活躍するファンタジックなゲームが好きなプレイヤーなら、きっとを楽しめること間違いナシです。
"自分の手で魔法を育てる"という面白いコンセプトを採用した本作を、あなたもぜひ手にとって遊んでみませんか?



