
重要なポイント
2025年3月8日(土)~9日(日)にかけて、吉祥寺・武蔵野公会堂で開催されたインディーゲームイベント、"TOKYO INDIE GAMES SUMMIT 2025"(以下、TIGS 2025)。そのイベントに出展された『ざこのあひる~メスガキvs鬼ざこ登山~』のプレイレポート。本作は、福岡の学生インディー制作サークル"FUファイターズ"開発の登山系ゲーム。プレイヤーはおもちゃの"あひる"を操作し高所を目指すが、独特の操作性と"ナマイキ少女"キャラの煽りが精神を追い詰める。
ひたすら高い場所を目指し、独特の挙動にイラつきながら少しずつ登ったり、落ちたりを繰り返す、いわゆる"登る系"ゲーム。『ざこのあひる~メスガキvs鬼ざこ登山~』(以下、『ざこのあひる』)は、そんな同ジャンルに"ナマイキな少女"(本作では"メスガキ"と表現されている)という、なんともキケンな香りのする要素をミックスさせたカオスな作品だ。なお本作おける"メスガキ"という表現については、"ゲーム内において挑発的な言動をとる架空の少女キャラクター"を指していることを、あらかじめ強調しておきたい。
『ざこのあひる』は福岡県発の学生インディー制作サークル"FUファイターズ"が開発したゲームで、STEAMによると2025年第2四半期にリリース予定。ゲームの目的はタイトルにもある"あひる(のおもちゃ)"を操作して高所へ運ぶことなのだが、まことに残念ながら事はそう単純ではなかった……。本記事では、実プレイを通して感じた本作の魅力を存分にお届けしたい。
冒頭から煽り散らかす"メスガキ"

主人公のお隣さんの"メスガキ"。かわいすぎるだろ……。
物語は、主人公(プレイヤー)の家の隣に住んでいる"メスガキ"が"超ムズいと話題のゲーム"『ZAKONOAHIRU』を持ってきて、遊ばせようとするところから始まる。そして彼女は登場するやいなや、下記のような煽りをマシンガンのように浴びせてくる。
・「ウチが持ってきた理由? 決まってんじゃん! 暇人が苦しんでる姿が見たいの♡」
・「断るとかナシだからね? 絶対にクリアしてもらうから!」
・「どんな無様なプレイが見られるんだろぉ~?♡ 思う存分、バカにしてあげるから、覚悟してね♡」
人によっては、この時点で「なんだこのナマイキな少女は!?」と怒り心頭になってもおかしくないかもしれない。しかし、上級者(?)である筆者にはご褒美でしかなかった。
"イライラWアタック"がプレイヤーの精神を破壊
「やほやほ~、ドMゲーマーのおにぃさん♡ わざわざ煽られにくるなんて、気持ちわるぅ~♡」「それとも、華麗なプレイでワカラセにきたのぉ?」などと彼女にとっては軽いジャブ程度であろう煽りを浴びせられながら、いよいよ"あひる"を動かすことに。
"メスガキ"の煽りは「んほおぉ♡ も、もっと聞かせておくれ♡」と思っていたのだが、問題は"あひる"のほうだった。なにせ、これっぽっちも思いどおりに動いてくれないのである。
具体的には、(コントローラーの)左スティックで"あひる"の本体を360度任意の方向に回転させ、Aボタンでクチから吐き出す水の勢いによって、吹き飛びながら移動する。基本的には"あひる"のクチの向きとは逆側に飛ぶことになるので、たとえば右に進みたい場合は、クチを左に向けて水を吐き出せばよい。
ちなみにボタンを押すと、ホンモノの"あひる"のおもちゃを押したときのように「プゥ~~~」という音が鳴る。

クチから水を吐き出して飛ぶが、重量が軽いためか過度に動き回って安定しない!
しかし、頭では分かっていてもあちこちに飛び跳ねる"あひる"の動きに焦ってしまい、ついボタンを連打してあらぬ方向へ暴発。とくに高い段差の場合、登るのに成功しても、乗った先がガケのようになっていると、「落ちてなるものか!」と慌ててボタンを押してしまう。すると進みたかった方向とは逆側に大きく吹き飛ばされ、苦労が水の泡に……ということが何度も起きたのだ。
そして、この"もどかしくてムカつく"状態にさらに拍車をかけるのが、"メスガキ"の煽りである。彼女はプレイヤーがしどろもどろになろうとも、「がんばれ♡ がんばれ♡」などの温かい応援は一切せず、ひたすら神経を逆撫でしてくる。せっかくなので(?)、ここでご褒美……じゃなくて、煽りのパターン(ほんの一部)を紹介したい。

うるせぇ! やっとるわ(喜)!
・「泣きそうな目、最高にそそるわぁ♡」
・「タコさんみたいに真っ赤じゃんw 煽り耐性なさすぎw」
・「皆見てよ~この下手くそプレイw」
・「ウチの煽りでイライラしてるぅ?w」
・「まだやめないとかドMなのぉ?♡」
・「斜め後ろに飛ぶの、得意技じゃないの?w」
・「あれ、何目指してるの? 引退?」
・「きゃはは、ペンギンよりどんくさいw」
・「もっと簡単にしないとダメ?w」
・「無駄な努力を見てるウチが一番かわいそ……」
プレイが思うようにいかない状態でこのような煽りを続けられたら、人によっては「あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"!!!!!!!!!!」……と、気持ちを逆なでされる可能性もあるだろう。これこそが、『ざこのあひる』における"イライラWアタック"(筆者命名)である。実際に筆者も"うわ言"のように「("あひる"の動きが)むかつくぅ……w」と言いながら同じところを何度もやり直したし、他のプレイヤーも身体をのけぞらせながらビクンビクンと悶絶していた。
終始変な汗をかきながらプレイしていた筆者だが、悪戦苦闘のすえ、どうにかチュートリアルをクリアすることはできた(ってかチュートリアルから難しすぎィ)!! 最後の瞬間には明らかに脳内物質の分泌による快感を強くおぼえ、また「んほぉ……♡」となった。そしてそのあと、会話イベントが発生。
あいも変わらず煽りを続ける"メスガキ"かと思いきや、「……ま、それでもクリアしたことは褒めないと、かなー? 心折れて辞めちゃってもヤだし」、「本編はもっと難しくなるから、みっともないとこウチに見せないでよね……♡」などとぽつり。
「デ、デレもあるんですかァーーーーーーーーーッ!? 一粒で二度おいしいじゃねーか!! このゲーム絶対買うわ!!」と、筆者は固く心に誓ったのだった。
無数の"メスガキ"の煽りがアナタを待つ!

頼むから早く発売してくれ……定価の2倍、いや3倍でアーリーアクセス権でもいい。
プレイ終了後、開発チームの一員にブースで話を訊いたところ、「おっさんではなく、女の子のナレーションがある"登山系ゲーム"を作りたいという想いから本作が生まれた」とのこと。また、"メスガキ"の煽りパターンは100種類は確実に超えているそうで、今後も増えることが期待される。おそらく、ステージによっても異なる煽りを聞けるだろう。
『ざこのあひる』は、「我こそはドMなり!」という人はもちろんのこと、歯ごたえのあるアクションゲームを求めている人にも強くオススメできるゲームだった。"メスガキ"がめちゃくちゃかわいいので、精神を破壊されない自信があるならぜひ遊んでみてほしい。