
重要なポイント
- カイネは『ニーア レプリカント』に登場する女戦士。粗暴な言動・性格で、青い下着姿が特徴的です。
- カイネは、愛する祖母を殺したマモノ"フック"への復讐を目的に生きています。
- 復讐を果たしたあとは、主人公"ニーア"を守る存在へと成長し、憑依していたマモノとも次第に心を通わせるようになります。
『ニーア レプリカント ver.1.22474487139』は、主人公ニーア(名前は自由に設定可能)が、病気を患っている妹ヨナを救うために旅をするアクションRPG。本作は、2010年に発売された作品のリメイク版として、2021年にリリースされました。
ニーアが魔王を倒して妹のヨナを救うのが物語の主軸ですが、仲間のカイネとのやりとりも物語を引き立てる要素のひとつです。
カイネは、見た目や言動がとにかく強烈なキャラクターですが、彼女の生い立ちや物語を追っていくうちに、その背景が少しずつ明らかになり、魅力が見えてきます。また、なぜ"マモノ憑き"になったのかを知ることで、露出の多い服装にも理由があることがわかるはずです。
本記事では、そんなカイネのプロフィールや特徴について詳しく解説します。
カイネとはどんなキャラクター?
カイネのプロフィールは以下のとおりです。
項目 | プロフィールの詳細 |
性別 | 両性具有 |
年齢 | 17歳 |
血液型 | B型 |
身長 | 172㎝ |
外見の特徴 | 髪は白銀色で下着姿、スレンダー体型、半身の手足は白い布で巻かれている |
武器 | 双剣・魔法 |
仲間からのあだ名 |
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カイネの生い立ち--復讐の鬼から、守護の刃へ、カイネが選んだ新たな道
カイネの出身地は"崖の村"。彼女は、幼少期から村人たちから忌み嫌われていました。その理由は、彼女が"両性具有"という異質な存在だったからです。そのことから偏見の目を向けられ、暴力を受けたり服を破かれたりと、悪質ないじめを長年にわたって受け続けてきました。
そんななか、唯一孤独なカイネを受け入れてくれたのが義理の祖母カーリーでした。カーリーは口が悪く厳しい性格でしたが、カイネのことを"ふつうの人間"として接し、彼女にとって大きな心の支えとなっていました。
カイネは15歳になるまで、祖母カーリーとともにささやかながら幸せな日々を過ごしていました。しかし、ある日、巨大なマモノ"フック"が村を襲撃し、カーリーは命を落としてしまいます。大切な存在を失ったカイネは、深い悲しみと強い復讐心を胸に、生きていく決意を固めるのでした。
その後、主人公のニーアと出会ったあとは、フックを撃破して復讐を完了します。そして、今度は自分を受け入れてくれた仲間のために剣を振るうようになります。
"復讐⇒仲間を守るため"といったように意識が変容していき、それまで復讐の鬼だったカイネは、最後に"主人公ニーアを守る刃になる"ことを選びます。
カイネが粗暴な言動や下着姿でいる、本当の理由とは?
ここからは、カイネの特徴について解説していきます。カイネが粗暴な言動・行動や、下着姿である本当の理由がわかります。
①容姿--なぜ彼女は下着姿なのか? すべては"生きるため"の選択だった
カイネの容姿は、"青い下着姿と白銀の綺麗な髪と整った顔立ち"。性別は両性具有ではありますが、スレンダーな体型や顔のパーツは女性的であることが特徴です。
青い下着姿で露出が多い、見た目のインパクトが強いキャラクターですが、単なるセクシーさの演出ではありません。じつは、カイネに憑依しているマモノ"テュラン"の浸食を防ぐ対策なのです。
マモノは日光に弱いため、肌に日差しが当たるように下着姿をしているのです。
また、左半身にぐるぐると巻かれている布は、憑依したマモノの呪印を隠すためのものです。マモノが憑依している影響で、彼女の片側の腕や足には黒い呪印が刻まれており、劇中では他のマモノに呼応して呪印が脈打つ様子も描かれています。
さらに、頭につけている月の涙(花飾り)は、青年期編の序盤でニーアからもらったものです。また、祖母カーリーからも花冠の月の涙をもらっていますが、自分の穢れた姿には似合わないと思い、自宅に飾っています。
幼少期、マモノ"フック"の襲撃で祖母カーリーは亡くなりました。その際、カイネも瀕死の重傷を負い、マモノの"テュラン"が彼女の肉体に憑依してしまいます。そのため、愛する祖母を喪失したカイネは"両性具有+マモノ憑き"というふたつの苦痛を背負います。
ただし、マモノの力と再生能力がなければ、祖母の仇討ちは果たせません。左半身にびっしり巻かれた布は、フックを倒すまでマモノが日光に当たらないようにするための、カイネなりの配慮とも考えられます。
②性格--乱暴だけど、誰よりも仲間想いなカイネの不器用な優しさ
カイネは美しい容姿に反して短気で男勝り、毒舌な性格です。彼女のセリフには伏字の"ピー音"が頻繁に入るほど、容姿とは裏腹に激しい言動が目立ちます。
しかし、カイネには仲間想いの一面もあります。"両性具有+マモノ憑き"という事情から、人を寄せつけない雰囲気を纏っていますが、それでも仲間を大切に思う心は変わりません。
弟のような存在であるエミールには、頼れる姉のような態度で接しています。ふたりとも自分の姿を他人に見られたくないという心理があり、野宿して焚火を囲みながら語り合うシーンはとくに印象的です。
また、ラストダンジョンの"魔王の城"でニーアが落ち込んだ際には、体育会系のノリで蹴りを入れて励ます場面もあります。そんな粗暴な性格の裏に隠された優しさも、カイネの大きな魅力のひとつです。
幼少期は内気な性格でしたが、気の強い祖母カーリーの影響を受けて、現在の口の悪さや態度が形成されたのでしょう。さらに、猛毒のまずい木の実を喜んで食べるほどの大食いな一面も持っています。
③戦闘スタイル--暴力と再生の刃、己の傷を恐れず突き進むカイネ
カイネは双剣を使った素早い連続攻撃を得意としています。リーチは短いものの、人間離れした機動力と攻撃速度が大きな特徴です。ふだんから暴言を吐き、暴力的な態度をとる彼女の"攻めの姿勢"は、戦闘スタイルにも如実に表れています。
また、マモノ憑きであるため自己再生能力を持ち、傷をすぐに回復できることから、単独でも高い戦闘力を誇ります。ゲーム中の戦闘では、突進するチャージ攻撃を繰り出すなど、いわゆる脳筋タイプのスタイルです。
本作の世界では、マモノの正体は"肉体を失った人間の魂の変異体"とされています。つまり、マモノである"テュラン"も、肉体を失ってさまよっていた人間の魂なのです。
ゲーム中では、テュランがカイネに憑依しています。おそらく、依り代を失い偶然"崖の村"で仮の肉体としてカイネを選んだのでしょう。
テュランのセリフからは、犯罪者やテロリストのように殺人衝動を抑えられない言動が多く見られます。そのため、かつて人間だったころの彼は犯罪者だったのではないかと推測できます。
しかし"Cエンディングで暴走したカイネを殺してテュランが消滅するシーン"では、意外な一面がみれます。
- 「俺は、カイネのなかにあって、ヤツを苦しめてきた。」
- 「それは、すなわちカイネの苦しみを肌で感じてきたということだ。」
- 「気が遠くなるほどの苦しみを…」
- 「だから、わかるのだ。彼女には苦しみはない。」
と最後に感謝の言葉を伝えるシーンがあります。当初は、カイネの肉体を殺戮に利用したかったのでしょうが、カイネの心と同化し正気を取り戻したのでしょう。
粗暴なカイネがニーアに惚れた理由――カイネが見つけた、もうひとつの生きる意味
最終的にカイネの生きる意味は、"復讐の鬼"から"ニーアを守る剣"に昇華します。「死んだ祖母に似ている」という理由から、旅のなかでニーアに恋心を抱いていきます。
両性具有であることを理由に、差別を受けていたカイネでしたが、義理の祖母であるカーリーだけは受け入れてくれました。そんな、祖母のようにニーアは、カイネに別け隔てなく接してくれたのでした。
それをきっかけにニーアはカイネにとって「偏見なく受け止めてくれる第2の存在」になったのです。そこから、旅のなかで成長していく彼をみてだんだんと異性として意識していくのでした。
ただし、テレビドラマや王道RPGのような告白シーンはありません。一般的なRPGでは最終決戦まえに告白シーンが描かれることも多いですが、本作にはそれがなく"彼女が惚れている証拠"を探す楽しみもあります。
筆者がプレイしていて、"カイネが惚れたな"と感じたシーンは以下のとおりです。
①青年期編の"主人公の村"で、ニーアがカイネの石化を解くシーン
カイネはニーアの少年期編で石化してしまいますが、5年後の青年期編でその石化が解けます。その際、逞しく成長したニーアにギャップを感じ、思わず見とれてしまいます。
おそらく、この時点で淡い恋心が芽生え始めたのでしょう。プレイステーション4版のグラフィックでは、表情から「あっ、ホレてるな」と感じ取りやすくなっています。
②ラストダンジョンの"魔王の城の通路"で泣き崩れるニーアを蹴り飛ばすシーン
ラストダンジョンで仲間を失って、ニーアが床で泣き崩れるシーンがあります。カイネは、そんな悲しみに明け暮れるニーアを蹴り上げて、胸ぐらを掴み壁に押し付けます。
そして、ふたりの顔が近付いた際に、何かを感じてカイネはそっと身を引いてしまうのです。きっと「私、この人好きだったんだ」と気が付いたのでしょう。このように、カイネの表情を観察すると異性として意識していたことがわかります。