『ファイナルファンタジーVII』において、アバランチは神羅カンパニーから星を救おうとする過激なエコテロリストです。時間が経つにつれ、ゲームクリエイターのインタビューや、スピンオフ作品を通じて、この寄せ集めのチームに関する興味深いトリビア・雑学・豆知識が明らかになってきました。
『ビフォア クライシス ファイナルファンタジーVII』ではアバランチは悪役だった
アバランチは『ファイナルファンタジーVII』のバレット・ウォーレス(アバランチのリーダー)とその仲間たちから始まったわけではありません。このグループは、ウータイ戦争で神羅が勝利した後、コスモキャニオンにて匿名の人物により設立されました。アバランチの目的は、魔晄エネルギーの乱用から星を救うという正しいものでしたが、彼らは時折、その目標を達成するために冷酷な行動に出ることもありました。
2004年に日本でのみ発売されたモバイルゲーム『ビフォア クライシス ファイナルファンタジーVII』(以下、『ビフォア クライシス』)では、プレイヤーは神羅カンパニーの精鋭部隊である"タークス"側に立ちます。このグループは神羅の治安維持部門の一部で、FBIのような存在です。オリジナルのゲームでは、神羅が約束の地を発見するのを阻止するため、プレイヤーはタークスと対決しますが、『ビフォア クライシス』では、アバランチが行った爆破や誘拐などの恐ろしい行為をまえに、タークスの人間的な一面が描かれています。
実際には、『ビフォア クライシス』に登場するアバランチのグループは、ルーファウス神羅が父親の権力を弱めるために資金提供していたものです。ゲームの最後には、このエコテロリスト集団は解散します。それはおそらく良い結果だったと言えるでしょう。
アバランチのメンバーはコスモキャニオンで再会する予定だったがカットされた
1997年に発売された『ファイナルファンタジーVII』のファンは、クラウドと仲間たちがニブルヘイムに向かうまえにコスモキャニオンで焚き火を囲むシーンを懐かしく思い出すでしょう。この穏やかなシーンで、バレットは他のアバランチのメンバーであるジェシー、ビッグス、ウェッジに、いつかキャニオンを訪れて祝おうと約束していた、と語ります。しかし、残念ながらこの会話は最終的にはカットされました。
"未使用のテキスト"によれば、この会話はアバランチのメンバーがミッドガルの列車から飛び降りた後に行われる予定だったことがわかります。バレットは他のメンバーに「よくやった」と伝え、さらに休暇に行くかどうかを尋ねます。ミッションが成功すれば、グループの発祥の地であるコスモキャニオンに連れて行くと強調します。日本的なスタイルで、ジェシーは「温泉もあるの？」と尋ねます。
リメイク版でアバランチの倫理観が変更された
プレイステーション版（オリジナル版）のリリースから数十年が経ち、開発チームは"星を救うために魔晄炉を破壊すること"の倫理的な意味合いを再認識しました。当時の『ファイナルファンタジーVII』のチームは、彼らのアプローチの欠如がどのようにプレイヤーに伝わるかを十分に理解していなかったかもしれません。オリジナル版のゲームのリリース後、アバランチの行動に対する疑問を生じさせました。
2020年にリリースされた『ファイナルファンタジーVII リメイク』では、アバランチは依然として善意のヒーロー集団として描かれていますが、大衆にはテロリスト集団として認識されています。しかし、神羅がバレットのグループを利用していたという視点を用いることで、彼らは暴力の引き金を引いたというよりも、むしろ不本意ながら巻き込まれた存在として描かれています。
『ファイナルファンタジーVII リメイク』に登場する3人の新しいアバランチメンバー
ゲーム内でパーティーを組むメンバーだけでなく、ミッドガル周辺で活発に活動する多くのアバランチメンバーがいることがわかっています。リメイク版では、バレットがあまり聞き覚えのない同僚について言及し、これにより、多くの人々が今後のゲームに登場する可能性がある3人の未知のキャラクターについて推測しています。バレットも、クラウドがいつか彼らに会うべきだと言います。
問題のアバランチメンバー3人は、グラフィティアーティストのフィン、ジェシーの親しい友人でありスプリンターセルの物資担当であるネリー、そして情報工作員でプレイボーイ風のアルです。
ジェシーは女優を目指していた
オリジナル版では脇役として登場したジェシーですが、『ファイナルファンタジーVII リメイク』のリリース以来、ファンのあいだで人気キャラクターとなりました。アバランチのメカニック担当である彼女は、偽のIDを手配したり、爆発物を調達したりする頼れる存在です。意外なことに、『ファイナルファンタジーVII リバース』のリリース後、彼女の過去の一部が明らかになりました。
エコテロリストの道を選ぶまえ、ジェシーは才能ある女優を目指していました。かつて彼女はゴールドソーサーの公演で主演を務めたことがありました。しかし、開幕直前に父親が過労で倒れ、魔晄貯蔵施設に落ちてしまったのです。これがきっかけで、ジェシーは惑星学を学び、アバランチに参加しました。彼女は、父親の魂が死後の世界と現世のあいだに囚われていると信じ、神羅の魔晄採取を止める必要があると感じたのです。
バレットと行動をともにするあいだ、ジェシーは７番街スラムで他の女優志望者たちといっしょに生活していました。小説『FINAL FANTASY VII REMAKE Traces of Two Pasts』では、ジェシーが役柄(アクションシーン)を通じて格闘技スキルを向上させ、それにより現実でも戦闘力が高まったと語っています。
一部のメンバーはリーブの"世界再生機構"に参加
他の神羅メンバーとは異なり、リーブ・トゥエスティは利益よりもチャリティや誠実さを優先し、ミッドガルの人々のために尽力しています（ケット・シーとしてキーストーンを盗んだ一件をのぞいて）。『ファイナルファンタジーVII』の出来事のあと、彼は惑星の再生と保護を目的とした組織、"世界再生機構"を設立しました。この組織は、ヴィンセントを中心としたスピンオフ作品『ダージュ オブ ケルベロス -ファイナルファンタジーVII』でもっとも顕著に描かれており、映画『ファイナルファンタジーVII アドベントチルドレン』にも一時的に登場します。
神羅の崩壊後、平和的な団体として"世界再生機構"が活動していたことから、アバランチが最初からこの組織に協力していたのは驚くことではありません。魔晄エネルギーが排除された後、バレットは新たなエネルギー源を探す旅に出ます。クラウドやティファが公式にこの組織のメンバーであるかどうかは不明ですが、小説『On the Way to a Smile ファイナルファンタジーVII』では、彼らが組織に関わっていることがほのめかされています。
ドミノ市長はアバランチを支持している（少なくともリメイク版では）
ミッドガルの市長であるにもかかわらず、ドミノ市長は実際には名ばかりの役職に過ぎず、神羅が都市のすべての権力を掌握しているようです。彼がその地位に幻滅するのは無理もないことでしょう（少なくとも、彼は豪華な神羅ビルで暮らしていますが）！
『ファイナルファンタジーVII リメイク』では、ドミノ市長のキャラクターがオリジナル版よりも詳細に描かれています。1997年リリースのオリジナル版では、クラウドが神羅ビルの上層階に到達する手助けをしてくれました。しかし、リメイク版では、ドミノ市長はアバランチの内部協力者として活躍します。彼はセキュリティカメラの映像を改ざんし、チームがビル内に潜入するのを助け、ウェッジと協力してクラウドたちが屋上からヘリで脱出できるよう手配するなどの支援を行います。
